希望と絶望の世界史

『希望と絶望の世界史 ― 転換期の思想を問う』(4月刊行予定)

的場昭弘 前田朗 共著
四六判 ソフトカバー 288頁
ISBN978-4-380-24003-4  C0036
定価:本体2300円+税

「西欧化」を近代化と考えてきた日本人のわれわれが、「西欧vs.非西欧」という枠組みで世界の変化を捉えるのは勇気がいる。
しかし数百年にわたって西欧から搾取の限りを受けた非西欧諸国の場合、その怒りは爆発寸前かもしれない。
もちろん西欧も、これまでの優位を失った手負いの虎で、何をするかわからない。
これが2024年、一触即発の世界の姿だ。

資本主義のグローバル化は限界を迎え、グローバルサウスの台頭が国際秩序に変更を迫っている。
私たちの眼前で展開されている「世界史」の現在をどのように測量するのか。
本書を通じて、読者のみなさんの思考スタイルの問い直しが始まることを期待したい。

(本文より)

<チラシ>

読者用チラシ『希望と絶望の世界史』

◉目 次

はじめに 前田朗

第一章 帝国主義戦争の時代に
ユーゴスラヴィア紛争の教訓
ロシアとウクライナ
琉球独立論の射程
西欧デモクラシーの二面性
民族をどう見るか
ロシア・ウクライナ戦争の起源
アルメニアとアゼルバイジャン
ピョートルの遺書
資本主義と啓蒙主義
グレートゲームの世界史
アフガニスタン訪問
アジアの資本主義
市民社会と社会主義
世界史の主役
グローバリゼーションとは何だったのか

第二章 マルクスとともに考える
トリーアのマルクス少年
ジャーナリストとしてのマルクス
啓蒙主義とユダヤ人
マルクスの「認識論的切断」
初期マルクスへの視線
運動家としてのマルクス
プルードンとマルクス
経済学者としてのマルクス
マルクス主義法学を学ぶ
もう一つの近代を見つける

第三章 待ち望む力―科学もユートピアも
科学とユートピアの近代
ビザンチンから欧州へ
ユートピアの歴史的位置
大航海時代の知
始まりとしての近代的所有
ユートピアとディストピア
ブロッホの希望
スピノザの喜びと国家
ヴェイユの重力と恩寵
アーレントの愛の概念
マルクスの希望と革命
将来社会構想をめぐって
個人と集団の近代――ヘイト・スピーチの場合
レイシズムと資本主義
希望だけがない国・日本で

第四章 希望と絶望の世界史
ウクライナとパレスチナ
国民国家の二面性
シオニズムの始まり
ユダヤ人迫害の歴史
「ユダヤ人問題」の諸相
帝国の解体
資本主義・植民地・奴隷制
「世界史」とは何か
資本主義の「世界史」
イスラエル建国問題
イスラエルの現代
絶望の近現代史
誰がジェノサイドを認定するか
正義は遅れてやって来る
ジェノサイドを裁く時代
国際刑事裁判の限界
「勝者の裁き」論
テロリストは誰か
希望の世界史のために
グローバルサウスの挑戦
アジアで唯一の植民地
脱植民地のために
晩期マルクスのノート
都市と農村の対立
西欧とアジア
アソシエーションという生き方
怠ける権利と働く権利

おわりに 的場昭弘
型番 24003
販売価格 2,300円(税抜)
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